TH.Another Room

学生時代に書いた文芸作品をアップしています。

2015-01-01から1年間の記事一覧

短詩集「逆転する虚無」

「のうみそ」 あかくておいしそうなのうみそ ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぱくぱくぱくぱくぱくげーげーげーげーげーとろとろとろとろぱふぇてくびがたかぶるあしくびがふるえるこまをまわしても むいみ 「じゅうじか」 きりすと まりあ せいしょ もやし…

お星さまへの手紙

ある日ぼくはお母さんを殺しました。人殺しとは心が痛むそうです。お母さんは痛そうだったけど、ぼくは苦しくなりませんでした。どうしてお母さんを殺したかというと、特に理由はありません。何かを好きになることと大差はないと思います。別にぼくは病気で…

瞳の中の道化師

本作は自殺した友人から訳あって著作権を譲り受けた短編小説。 誤字脱字を修正する以外の添削は行っていない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「道化師は何故笑う?」 1 私の両親は、幼子でも解るほど下衆な人間だ…

仮面

ちなみに、この短編小説は「面白い!と、つまんねえ!」の賛否両論がメチャクチャ激しかった覚えがあります。というか、本作は長編小説の出だしをチョット改稿しただけの作品なので、どうも尻切れトンボ感が強すぎる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

ミギー

すまんの。こいつもまだ未完成のままなのじゃ(´・ω・`) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー その日の夕暮れどき、会社から自宅までの帰り道の川沿いで、私は一本の太い腕を発見した。切断口から赤い液がドク…

散文詩集「転落」

0.「俯瞰」 君は自殺者を負の闇に覆われた脆弱な存在だと思うだろうか。私は、そう思わない。すべての自殺者はマザー・テレサよりも崇高なる魂の持ち主であり、崇高なる叡智を全身に宿した、生きた死者だと信じている。彼等が自死を願うのは、現実の深淵に…

短詩集「流れ落ちてゆく青空」

「らんらんらん」わたしは青空を切り裂いた。空の青は真紅の薔薇となって、ひとりぼっちの少女を喜ばせる。母は眠った。大地は震えていない。鎖から解き放たれた処女は銃を手にして街を徘徊する。夜の剣は眠らない。白銀の降り積もる町のなかで割れる蛍光灯…

アイ

まだ未完。ちなみに一度Twitterの方にアップしたこともあるよ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『0』 「バラバラ殺戮」 好きな人を 嫌いな人を バラバラに殺してみましょう 両親も 友人も 無関係な人も バ…

地獄

「ぼくは君のことを忘れるべきなのだろうか。それとも、いつまでも友達だと思っている方が、君は喜んでくれるのだろうか」 『1』 去年の十月上旬に知人から連絡を受けて知った。同じ年の九月に、親友のYが自殺したことを。自宅で首をナイフで切り裂いて、…

自殺者の冒険

0 「この怪奇なる文章データについて」 これは今から一年前に自殺した、とある少年によって創られた物語。 私は、この陰鬱で摩訶不思議な物語の作者とは、全く無縁の他人だ。たまたま彼の自殺する現場を最初に目撃して、彼が最期まで大切そうに抱えていた大…

詩「切り裂きジャックの証」

切り裂きジャックの証が欲しかった頃俺は赤い血の中に花束を見た一粒の砂の中に吐き気を覚えた天井の蜘蛛に悪意をぶつけた見えないナイフで愛する人を切り裂いた切り裂きジャックの証を手に入れた時夕焼けが俺の目を抉った一杯の水が女神を殺した兵士たちは…

しあわせの国

君はぼくらの姿を見つけたのか? ははは。びっくりしただろう。ぼくらは君と目を合わせることができてすごくうれしいよ。今日は一段と爽やかな青空だね。ほら、空に花も咲いている。君はぼくらの声が聞こえるようだから、ぼくらのことを教えてあげよう。 ぼ…

魔法のキノコ

死んだはずのパパから手紙と小さな木箱が家に届いた。正直、パパに対してはそれほど愛情もなかったので、どうして死んだのかは知らない。でもパパのくせ字は凄く好きだったから、誰かがふざけて出した手紙じゃないのは分かった。 手紙には二行しか書かれてい…

リンとトビー

『1』 青いウサギのリンは、雪の降る白い空を眺めながら、ふと思った。神様、カンナちゃんは、どこに行っちゃったの、と。 カンナは、ちょっぴり不思議な女の子。心の中で念じるだけで、スプーンを曲げたり、ガラス製のコップを本物の白鳥に変えたりするこ…

エッセイ「桜」

この文は創作課題で提出したエッセイ。別に自己評価が高いわけではないが、担当講師の講評が面白くて大爆笑していたのを今でも覚えている。「えー、普通の人間は『桜』という題を出されたら百科事典か何かで桜を調べて本文に取り掛かるものですwwwwww」「全…

芸術家肌の仲良し兄妹

今日、妹の空子(そらこ)が、僕の部屋の前で壊れたジョークを吐いた。「兄さん、この辺りに機関銃を売ってるような店を御存知?」 その台詞を口にした空子が、薄気味の悪くなるほどさわやかな笑顔をしていたために、焼け付くような混乱と軽度の頭痛が同時に…

四匹の手

とある小さな島に四匹の「手」がいました。彼等は仲良し義兄弟です。長男のアカは赤く、次男のアオは青く、三男のキは黄色で、四男のミドリは緑色。みんな生きていることが楽しくて仕方ありません。 彼等は、かつて人間たちの下で酷使されていた「手」でした…

キリエ

とあるアパートの一室で、僕の大切な女の子であるキリエは満面の笑みで言いました。「ユキジくん、わたし、カボチャ食べたくなった! 穴つきのカボチャがいいの! 一緒にスーパーマーケットにいこーよ!」「こないだ、食べなかった?……いや、でも、そうか………

マリーのライフワーク

とある山小屋に、一人の小さな魔女が住んでいました。彼女の名前はマリー。少女は親も居なければ、学校にも通っていません。けれどたくさんのお友達がいました。そんな彼女のライフワークは、苦しむお友達を助けることです。嘆きの声が今日も小屋に届いて、…

子ぎつねと天使

ぼくはきつねの男の子。ある日火縄銃で撃たれて死んだんだ。つまり今ぼくは幽霊。おなかがすいてたから、人間が釣った魚を盗んじゃって、怒った釣り人に殺されたんだ。 ぼくは人間の男の子と一緒の家に住んでいたんだ。いっぱい油揚げをくれたから、ぼくはあ…

白の王国

前書き。この作品は私の処女作です。書き始めの頃は、どのような文章だったのかを見せるために、あえて細やかな添削は施しておりません。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『0』 ある日突然、少年の視界が変わった。…