TH.Another Room

学生時代に書いた文芸作品をアップしています。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

殺戮のルナ・メイジ 7章

窓を開けても、風の音も、虫の声も、死者の囀りすらも聴こえてこない夜だった。「もう九時半ですね」 ドロシーはテーブルの傍から、ベッドの上で部屋の外を眺めているルナに話しかける。「あ……そういえば、一つだけいいですか?」 彼女は満面の笑みを浮かべ…

殺戮のルナ・メイジ 6章

その日の午後は、授業をサボって学校の屋上からシリアルキラーのような青空を眺めていた。今日も聴こえてくる。私たちユダマの使徒らが殺戮してきた、マリアの使徒たちの嘆き声。生まれた時から白い十字紋を体につけていただけで迫害された者どもの悲痛の叫…

殺戮のルナ・メイジ 5章

『衰弱の島』――正式名称はベルドラード島というのだが、その孤島で強制労働に従事する、明日への希望を見失った労働者の間で流行した、禍々しい俗称である。 島の中央部には、小規模で錆びれた工場があり、そこは奴隷たちの働き場。小さな牢獄の内部に漂う、…

哲学ごっこ第一回まとめ「知っているつもりを避けるには?」

①「そもそも知るって、どういうこと?」 1.知るとは「確かめる」 2.知るとは「気づく」 3.知るとは「全体像を掴む」 4.知るとは「忘れないこと」 5.知るとは「手際の良さを身につける」 6.知るとは「学ぶ」 7.知るとは「関係性の構築」 8.知るとは「…