TH.Another Room

学生時代に書いた文芸作品をアップしています。

僕の将来の夢!ヽ(・∀・)ノ

 私個人のささやかな夢を語ってみる。たとえば自分の家族や恋人や親友などの”大事な人”の生命が、酒鬼薔薇のような猟奇殺人者に奪われ、その事件の詳細と感想を加害者の直筆によって語られたノンフィクション本(事件を起こしたことについての反省など一切せず、むしろ殺人を達成できたことに多大な快楽を覚え、また”やりたい”と思っているという意思が表明されているような内容……「絶歌」など温い)が出版されたとしよう。おそらく通常の人間であれば――今現在の私であれば――、その忌まわしき凶事についてを何の配慮もなく表現するに至った加害者に対し、絶大な不快感や限りない憎悪などを抱くのであろうが、このような暗黒という偽名のつけられた虚無を抱いてしまうようでは、まだ低次元な立ち位置にいるのだと自覚せざるを得ないのである。

 私は真なる善と真なる悪を超越する立場に、たどり着きたいのだ。真なる善とは絶対不変と信じられし絶望を無限のような希望に変える力であり、真なる悪とは絶対不変と信じられし希望を無限のような絶望に変える力。それらが入り混じった空間こそが、宇宙としての世界。私は世界と一体にならなければならない。私が創り出そうとする永遠を、何者かの精神の大地として構築するためにも。

 

(この話、気が向いたら続きを書きますね)