TH.Another Room

学生時代に書いた文芸作品をアップしています。

nina word

「あらゆる眠りへ」

奇抜な男を見かけた。悪夢の目をしていて、三日月の唇を右手で隠した、黒いシルクハットを被った青年が、喫茶店で読書をしている。彼がガラスの向こう側で、ブラックコーヒーを嗜んでいるのかが知りたかったので、私は私の両眼を店内に潜り込ませた。 左目曰…