TH.Another Room

学生時代に書いた文芸作品をアップしています。

殺戮のルナ・メイジ

殺戮のルナ・メイジ 2章

扉を閉めると、一面の薄闇に覆われた。辺りを見回すと、どうやら狭く古びた部屋に入ったようである。室内は、がらんどうで、埃臭さが漂っている。 「………………………………………………」 (行き止まり?)と一瞬だけ思ったが、おかしい。あのドアには『地下倉庫』と書かれ…

殺戮のルナ・メイジ 1章

声が聞こえたような気がする。けれど、それがどこから放たれたのか、どのような声かは分からない。テレパシーか空耳? なぜだか奇妙に心に引っかかり、少年はしばらくの間、動かしていた手を止めて、じっと耳と心を澄ませていた。 だが工場長の掠れた怒鳴り…

殺戮のルナ・メイジ 0章

彼女にとって人類を滅ぼすことなど造作もなかった。彼女にとって自分以外の人間など芥ほどの価値はなかった。彼女にとって命になど塵と差はなかった。彼女からしてみれば現実と虚無に何の違いがあるのか分からなかった。 無数の命は無の彼方へと去り、ただ血…